《注目》食料インフレ、ともる警告灯 「自国優先」が広げる振幅
土曜日の『1週間の10本』でまた月曜日って言いましたが今日休刊日でした。
ということで気になった記事をアップしておきます。
🌾気になるニュース
こっちの記事も合わせて読むと分かりやすいです。
🇮🇳インドの動きがコメマーケットに影響を与えている
世界のマーケットでコメの価格がじわりと上がり始めているという内容です。
「おっ!日本のコメのビジネスチャンス?」と思われる方もいるかもしれませんがそういうわけではありません。
これについては後述。平たく言えば『命を維持するためのコメ』に関する話になります。
今回の話に大きく関わってきてるのがインドの動き。
エルニーニョ現象で降水量が減少し、収穫量が減るのではないか。と考えたコメの最大輸出国インドが予防的に輸出を禁止したことでマーケットへの供給が少なくなり価格が上昇しました。
影響出るのがサハラ砂漠以南の地域。食料価格が高騰することで厳しい状況に置かれます。
そもそもインドがなぜ予防的に対策を打ったかと言うと2024年に総選挙がありそこに向けて支持率を下げたくないから。
インドであったG20でもいきなり自国の呼称を「バーラト」に変えたという記事が流れてきました。
▼インドの国名が突然「バーラト」に? モディ首相の最大の目的とは
朝日新聞の記事。
モディ首相はヒンズー教至上主義で、わりと国粋主義1的なところがあります。その支持者にとっては「インド独自の呼称、植民地時代からの脱却」というストーリーは響くと思います。
「自国の食料を守る!」というのも国粋主義には親和性が高いところ。世の中が不安定化してくると何かしらの”敵”を設定し支持を集めるという方法が使われます。
その支持集めの手法が国際的なコメ価格に影響してきたなと感じた今日の記事でした。
🇯🇵日本が輸出を狙うコメとは?
日本の米輸出は2万トン前後。コロナもあったので多少ブレると思いますがデータを見てるとこの範囲かなと思います。
ちなみに米菓、日本酒も含まれるため「コメ単体」というわけではありません。そして特徴的なのが「パックご飯」が人気ということ。
炊飯の手間なく食べたいという需要が強いことが伺えます。そもそも「食べるために専用の調理器具が必要」というのは他文化圏の人からしたらハードルですよね。
鍋でも炊けますし海外行った時に鍋で炊いてる人見かけましたがやはり常食にはならない。和食のヘルシーなイメージもあり人気というイメージです。
輸出先としては香港、シンガポール、アメリカ、台湾で約8割を占めます。
一方で日本が真に狙っているコメの輸出はコメ単体、精米する前のコメの輸出だと思います。
日本農業界はコメの味を追求し品種改良を重ねてきましたし
「日本のコメが美味しいと評判で海外で売れる」
というのは農家さん的に1番「作りたい」と思わせる話なんですよね。
つまり高品質で味が良い、有り体に言えば「高く売れるもの」で売れることを狙っています。プライドもあると思います。
この需要(手軽にヘルシーなものを食べたい)側と供給(コメの味、品質で勝負したい)側の思惑のギャップはコメの海外進出を妨げるんじゃないかなという気がしています。
実は日本国内でも今パックご飯人気なんですよね。日本は品質にとことんこだわるの得意なんですが、使用環境などの”周辺”にもっと目を向けられれば伸びると思うんですけどね。
最初の話とはまったく関係ない話になったので今日はこのあたりで🙌
自国の伝統を他のどの国よりもすぐれたものと考え、それを守り広げようとする考え方。