📰今日のニュース
☝️一面のワケ
店舗を増やして成長してきたチェーン業態が、拡大モデルの限界を迎え次の一手を探り始めているから。
❓今日の問
旗艦店へのシフトはチェーン業態での生き残りの答えになるか
📚目次
店舗を増やし続けた40年の成長史
客数は伸びずとも単価は伸びる理由
全面旗艦店化もすでに前例があった
📝要点
東京の銀座や大阪の梅田に、売場面積3000平方メートルという超大型店があります。
ユニクロが「グローバル旗艦店」と呼ぶ店舗です。
ガラス張りの外観にデジタルサイネージ(映像を映し出す大型デジタル看板)、地元企業とコラボしたTシャツ作りまで用意され、普通の衣料品店とはずいぶん違う空間になっています。
この旗艦店を、ユニクロは今後10年で今の10店舗前後から約20店へ倍増させる方針を明らかにしました。
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は「今後は全て旗艦店戦略に変える」とまで踏み込んでいます。
国内に785店という巨大な店舗網を持つユニクロが、なぜ今「数」から「質」へと舵を切ろうとしているのでしょうか。
しかもその先には、すでに同じ道を歩んできた海外の競合が待ち構えています。
この試みがうまくいくかどうかは、店舗を増やすことで成長してきた他のチェーン業態にとっても、他人事ではなさそうです。
📈店舗を増やし続けた40年の成長史
ユニクロの成長は、長らく店舗の数がそのまま物語ってきました。
始まりは1985年、山口県下関市の郊外に構えたロードサイド店です。
車で乗りつけるファミリー層をつかまえ、幹線道路沿いに次々と出店。
手頃な普段着の店として全国に広がっていきました。
転機になったのが1998年の原宿出店とフリースの大ヒットです。
ここで都心にも足場を築き、一気に誰もが知るブランドへと駆け上がりました。
旗艦店という発想が生まれたのはそのあと、2006年のことです。
海外進出の足がかりとして開いたニューヨーク・ソーホー店で、無名だったブランドを新しい市場でいきなり印象づけようと、売場面積はユニクロ史上最大の1000坪を投じました。
これが世界初のグローバル旗艦店です。
この発想が2010年の心斎橋、2012年の銀座へと国内に逆輸入され、根づいていきます。
ただし国内の店舗数そのものは2013年の854店をピークに、閉店と出店を繰り返しながら8%ほど減り、ここ数年はほぼ横ばいで推移しています。
💰客数は伸びずとも単価は伸びる理由
この785店という店舗数、実は直近10年ほとんど動いていません。
人口減少で新たに出せる場所そのものが細り、ネット通販に客足を奪われる場面も増えたからです。
ただ、直近1年の既存店データを見ると面白いことが分かります。
来店客数が前年を割り込む月がある一方で、一人あたりの購入額はほぼ毎月前年を上回り続けているのです。
店を増やせなくても、一人ひとりからより多く引き出せている、というわけです。
そしてもう一つ、この変化を後押ししているのが海外事業の勢いです。
海外は2桁の増収増益を続け、業績予想は今期すでに3度目の上方修正となりました。
この好調のさなか、柳井正会長兼社長は日本経済新聞のインタビューでこう踏み込んでいます。
「今後は全て旗艦店戦略に変える」。
狙いは、店を単なる購入の場からブランドを体験させる場へと変え、「割安な服の大量生産」というイメージを塗り替えることにあります。
🚢全面旗艦店化もすでに前例があった
旗艦店というアイデアそのものは、ユニクロにとって目新しいものではありません。
2006年のニューヨーク店から、もう二十年近く手がけてきています。
旗艦店を一部の看板店にとどめず、今後の出店そのものの標準形に格上げする「全面化」が今回の新規性です。
そしてこの旗艦店の全面化は、実はユニクロが一番手ではありません。
中でも一番踏み込んでいるのが、スペイン発ZARAの親会社インディテックスです。
2020年のコロナ禍で客足がオンラインへ移ったのを機に、世界で1000店以上の小型店を閉じ、より大きく洗練された旗艦店へ集約する方針をすでに実行に移しました。
既存店を閉じてまで踏み込んだという意味では、ユニクロより先を行っている格好です。
つまり「全面的に旗艦店化する」という方向そのものでは、ユニクロは数年遅れて同じ道を追いかけていることになります。
ただしZARAは、街の「今」を切り取るトレンドの服として、最初から都心集中・小規模な店舗網として育ててきました。
一方のユニクロは、郊外から全国へ広げた大量の店舗網と、旗艦店で培ってきたブランド発信力という、性格の異なる二つの強みを持ち合わせます。
一等地の確保や店づくりの完成度で、後発として見劣りしないか。
既にある資産をどう掛け合わせて使えるか。
世界で勝ち続けられるかどうかは、これから問われることになりそうです。
🤔私はこう考える
この動きを固唾をのんで見ているのは同業のアパレルだけではないと思っています。
実はコンビニ業界でも、店舗数の拡大はすでに頭打ちに近づいています。
出せる立地は限られ、一つの商圏に何店舗も重なることで、一店舗あたりの稼ぎが伸び悩む場面も増えてきました。
「店舗を増やせば売り上げが伸びる」という拡大モデルの限界に、業態を問わず近づきつつあるわけです。
それでも、アパレル業界の外に目を向けると、量から質への転換をここまで明確に打ち出した例はまだ多くありません。
だからこそ、同じ壁に直面している他の業態にとって、この実験がどこまで成果を出せるかは、自分たちの次の一手を占う試金石として注目しているんじゃないかなと思っています。
👀この記事で身につけておきたい3つの視点
ユニクロは郊外ロードサイド出店で築いた店舗網を武器に、2013年の854店をピークに8%ほど減り、ここ数年はほぼ横ばいで推移している
客数が前年を割る月がありながら客単価はほぼ毎月前年を上回り続け、成長の物差しが店舗数から一人当たりの購買力へ移っている
新規出店を全て旗艦店にする全面転換は、インディテックスが2020年の店舗閉鎖で一歩先に踏み込んでいる
💡結論・メッセージ
店舗の数を追いかけて成長してきた企業は、その数が増えなくなったとき、次に何を伸ばすのでしょうか。
ユニクロが出した一つの答えが、これまで一部の看板店にとどめてきた旗艦店を、出店戦略そのものの基本形に格上げすることでした。
ただしこの「全面的に切り替える」という踏み込み自体は、インディテックスがすでに2020年、既存の小型店を閉じてまで実行に移しています。
「後発」の中でユニクロは保有している資産をどう掛け合わせていくのかが問われます。
そしてこの「出店先が無くなった後どうするか」という問いは、ユニクロだけのものでは終わらないはずです。
店舗を増やすことで成長してきた他の業態も、いずれ同じ分かれ道に立つことになります。
そのとき何を物差しに次の一手を選ぶのか。
ユニクロの旗艦店戦略は、その一つの実験として見ておく価値がありそうです。
📰今日のその他の一面
日経とテレビ東京の調査で内閣支持率は62%と上昇し、39歳以下と40〜50歳代はいずれも71%まで伸びました。一方で食品消費税の減税に関しては、財源を示さないまま社会保障サービスの低下を懸念する声が過半数に達しています。現状は50代以下の高支持が全体の支持率を押し上げていますが、この層は物価や生活実感の変化に敏感で、支持の変動幅も大きい傾向があります。減税の恩恵が薄れたり社会保障への不安が実感として広がれば、若年層の支持から先に剥落しやすく、内閣支持率全体の下落スピードを加速させるリスクがある点に注意が必要です。
当初は15万トン分を計上していましたが、民間在庫が適正水準を大きく上回り価格下落が続く中、5万トン積み増す方針に転じました。備蓄水準は放出前の100万トンから約32万トンまで落ち込んでおり、需給を見極めながら段階的に対応してきた結果、判断のタイミングが後ろにずれ込んだ経緯があります。今年産の作柄確認を経て正式決定する見通しですが、対応がさらに後手に回らないか心配しています。
✉️追伸
細菌のユニクロに「安い」って感覚あまりないですよね。
私だけですかね。
投稿予約が17時になってた…


