📰今日のニュース
今日は福島第一原子力発電所の廃炉に向けての話。
💹マーケット
☝️一面のワケ
海洋放出に対し早速影響が出始めており今後の対応が問われます。
📚目次
🏭処理水海洋放出の反応と影響
⏳廃炉までの時間
🇯🇵💡問われる政府と東電のこれから
🪅ポイント
1.海洋放出が中国が強く反発
2.廃炉まで”短くて”30年 それ以上の可能性も
3.この間政府と東電が誠実に対応できるか
🏭処理水海洋放出の反応と影響
8月23日の記事で「ALPS処理水」の海洋放出決定に関する話を書きましたが今日はその続編になります。
昨日(8月24日)の13時頃から実際に処理水の海洋放出が行われました。前回の記事には書けてなかったんですが、近隣諸国からは問題視する声、しない声両方がありました。
韓国政府は特に問題無しの立場。これは尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が日米と対立したくないという思惑があるため。野党は放出反対の立場を取っています。
中国は明確に問題視し反対。香港政府も同様の立場を取っています。日本政府も放出前から理解を求めていましたが得られないまま当日を迎えました。
海洋放出を受けて中国は日本産水産物の全面禁輸に踏み切りました。香港は5都県から10都県に拡大します。
昨年度の水産物の輸出総額は3,873億円。うち中国が871億円、香港が755億円。香港は全額でないとはいえ合計すると42%を占めます。
日本としてはかなりダメージが大きい一方で、中国は日本からの輸入量はトップ10にも入っていないらしくそこまで影響は大きくなさそうです。
⏳廃炉までの時間
「処理水」は溶け落ちてしまった核燃料、いわゆる燃料デブリ(もしくは単にデブリ)を冷やし続けるために使用されており、少なくともデブリの回収までは発生し続けます。
デブリの回収は早ければ今年から試験的に開始するとされています。見込んでいる回収量は数グラム程度。デブリは総量で880トンあるとされており途方もなく長い道のりになります。
今回の回収も「試験段階」です。国と東電は成功すれば段階的に量を増やしていくとしていますがいまだに目処はついていません。
処理水放出の際に「放出完了までは30年程度」と終了時期に触れていましたがこれは国、東電、専門家等で作った「中長期ロードマップ」を元にした時期であり決定しているわけではありません。
デブリの回収スピード次第ではさらに遅くなることも予想されそうなれば処理水放出の長期化、廃炉完了時期の後ろ倒しが懸念されます。
🇯🇵💡問われる政府と東電のこれから
今のところ強い反発を見せているのは中国くらいで、国際社会からは信任を得ている状態だと言えます。
しかし国内では既に水産関係者から不安の声があがっています。また、「風評被害対策」と「漁業の継続支援」として用意した合計800億円の基金も使う基準が明確になっておらず不安に拍車をかけています。
「IAEAのお墨付きをもらった」「首相が全責任を持って対応すると言った」としても行動が伴わなければ信用は得られず『科学的に安全』であっても不安を募らせることになります。
毎回落とし所は同じですが、国策として始めた原子力政策とその運営を担い利益をあげてきた東京電力、双方がいかに誠実に対応していくかが問われます。
📰今日のその他の一面
政府内では「ここまでとは思わなかった」という話が出ていますがさすがにナイーブすぎる気がします。
金融教育を…って話になるんですが最も大事なのはリスク管理だと思うんですよね。手持資金いくらでいくらまで投資できるのかを知っておくことで破滅は免れるはずです。
欧米に対する枠組みなわけですが事務局があるわけでもないですしどこまで実行的なものになるかは未知数です。
✉️追伸
海洋放出”以外”の方法があるのかがわかりません。方法論を主張している人は見かけましたが実現可能なのかどうかは検討がつきませんでした。
いずれにせよこの1ヶ月で一気にバタバタっと進んだ感じがあります。今後考えられるのは、この影響としての内閣支持率への反映、特に中国との関係性などです。機会があれば言及します。