7月9日(木)リニア静岡工区、着工へ前進――本当に完成にたどり着けるのか
📰今日のニュース
☝️一面のワケ
10年膠着した政治対立が解け、巨大インフラが動き出す節目だから
❓今日の問
犠牲を払ってまで、リニアである必要はあったのか
📚目次
着工はゴールではなく入り口に過ぎない
「妥当」の中身は着工前の話だった
似た話は他でも起きていた
📝要点
新しい鉄道や道路の着工のニュースを見ると、これでようやく便利になると単純に喜んでしまいがちです。
静岡県の鈴木知事がリニア中央新幹線の静岡工区の着工を容認しました。
2017年から10年近く止まっていた工事がようやく動き出すということで、品川―名古屋間の開業にも大きく近づいたと報じられています。
ただ大型のインフラ工事にはよくあることですが、着工できることと予定通り完成することはまったく別の話です。
今回のリニアも、その典型例になりそうな気配が漂っています。
🚅着工はゴールではなく入り口に過ぎない
リニア中央新幹線は2011年に整備計画が決まり、14年に品川―名古屋間で着工しました。
ただ静岡工区だけは大井川の水資源への影響を理由に地元の反対を受け、長く着工できない状態が続いていました。
今回、鈴木知事の容認でこの工区もようやく動き出します。
背景には、60年を超えた東海道新幹線の老朽化や南海トラフ地震への備えとして、大動脈をもう一本用意しておく狙いがあります。
ただ着工の壁を越えたのはスタート地点に立てただけの話で、そこから先、予定通り完成するかはまた別の問題です。
⛏️「妥当」の中身は着工前の話だった
国土交通省の専門家会議は2023年11月、南アルプスへの環境影響についてJR東海のモニタリング計画を「妥当」と評価しました。
ただこれも、掘る前の計画をもとにした判断です。
今年6月、現場近くの地区長は「完成までに10年以上かかる可能性がある」と明かしました。
理由は地質調査がまだ終わっていないためです。
丹羽社長も「当初の見込みより難しい工事になるのではないか」と話しています。
着工前の評価がどれだけ積み上がっていても、実際に掘ってみて分かることは、着工した今もなお残っています。
🕳️似た話は他でも起きていた
こうした構図に見覚えがある方も多いのではないでしょうか。
2020年、東京の外環道でシールドトンネル工事中に、住宅街の地面が突然陥没する事故が起きました。
あのときも「大深度地下の工事は地上に影響しない」という想定で計画が進んでいました。
ところが実際に掘り進めると陥没が起き、2031年3月としていた完工目標も達成が難しいと認められています。
静岡工区も同様に、掘る前の想定だけを頼りに着工しており、地盤や工法は異なっても不確実性を抱えたまま動き出している点は外環道と重なります。
🤔私はこう考える
個人的な見方ですが、着工容認が出ても不確実な要素は少なくありません。
「そもそもリニア方式でここまでのコストと環境負荷を背負う必要があったのか」という疑問が置き去りにされている気がします。
JR東海は大井川上流部の流量が毎秒2立方メートル減少すると予測し、導水路トンネルで湧水を戻す対策を掲げていますが、南アルプスでは地下水脈分断による生態系への影響も懸念されています。
「二重系化」や「高速化」が目的なら単線新幹線方式のほうが安く早く済んだ指摘もあり、これだけのリスクを負う意味が、正直分かりません。
👀この記事で身につけておきたい3つの視点
大型インフラ整備では、着工の可否と完成後の不確実性が別々の問題として扱われる場面が増えている
専門家会議の「妥当」という評価は、着工前の予測にとどまり実測データに基づかないことがある
目的と手段の適合性は、事業の規模が大きくなるほど検証が省略されやすくなっている
💡結論・メッセージ
リニア静岡工区の着工容認は、10年越しの対立に区切りをつけた大きな出来事です。
ただそれは「開業への保証」ではなく「本格的な不確実性の始まり」でもあります。
着工前の評価がどれだけ積み上がっていても、実際に掘ってみるまで分からないことは残ります。
それは外環道の事故が教えてくれた教訓でもあります。
だからこそ、良い悪いという話で終わらせず、「二重系化」や「高速化」という目的にリニアという手段がどこまで見合っているのか、コストと環境負荷を含めていま一度問い直す価値があるのではないでしょうか。
📰今日のその他の一面
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✉️追伸
本当にリニアである必要あるの?はずっと思っています。


