7月8日(水)フィンテック特許、中国が米国抜き首位
何が明暗を分けるのか
📰今日のニュース
☝️一面のワケ
決済や与信を支える技術の主導権が、特許の出願数という数字を通じて国境を越えて動いているから
❓今日の問
この先、金融の主導権を握るのはどの国になるのか
📚目次
特許出願数に映る、金融の主導権争いの現在地
中国はどうやってこの特許首位を築いたのか
この特許争いで日本が後れを取っている理由
📝要点
スマホでの送金や、コンビニのタッチ決済は、もう当たり前の光景です。
こうした仕組みを支える技術を指す言葉が、フィンテック(IT×金融の略で、決済や融資、資産運用をテクノロジーで作り変える取り組み全般を指します)です。
この分野の特許出願数で、中国が米国を抜いて世界首位になったことが分かりました。
決済や与信のデータを握る企業は、いずれ私たちの家計や取引先選びにも関わってきます。
そこで存在感を強めているのが、国が主導する中国の金融機関です。
🎓特許出願数に映る、金融の主導権争いの現在地
フィンテックは決済・融資・資産運用・暗号資産など幅広い分野を指し、世界の金融機関やテック企業がしのぎを削る成長市場です。
マッキンゼーは2030年の世界市場を25年比3倍の320兆円規模と見込みます。
この主導権争いの現在地を映すのが特許出願数です。
過去10年で世界の関連特許出願は前の10年の3倍近くに増え、中国はその出願数をさらに10倍に伸ばし、かつて米韓に次ぐ3位だった順位から米国を逆転しました。
ここまでコストをかけて特許を積み上げるのは、金融が世界のお金の流れを押さえる産業だからです。
🇨🇳中国はどうやってこの特許首位を築いたのか
中国は特許出願数の38%を占めて首位に立ち、企業別でも上位50社のうち22社を中国勢が占めました。
けん引役は国有銀行です。
中国工商銀行はAIで貸し倒れの確率を予測する技術を、中国銀行はブロックチェーンで送金を自動化する技術を、それぞれ特許にしています。
国主導で大手企業に技術開発を集中させてきた結果です。
仮にこうした技術が各国の決済網に浸透すれば、利用者のデータが中国企業に集まる懸念に加え、決済インフラが少数の企業に集中すること自体が金融システムを脆くするリスクも、国際機関から指摘されています。
🇯🇵この特許争いで日本が後れを取っている理由
日本のフィンテック関連特許出願数は9115件で、中国の5分の1にとどまり、企業別トップも東芝テックの18位が最高でした。
背景にあるのは、大手銀行が主導してきた口座振替という仕組みが、すでに便利に機能していたことです。
新しい決済サービスへの必要性が生まれにくく、投資額やスタートアップの件数も欧米・アジア諸国に比べて小さいままです。
この技術基盤争いで後れを取るということは、将来、家計の決済手段や、企業が取引先を選ぶ際の与信システムまで、海外発の技術に頼らざるを得なくなる可能性を意味します。
🤔私はこう考える
個人的に気になっているのは、大手銀行の存在感の大きさが、日本でフィンテックの新規参入が育ちにくい一因になっているのではないか、という点です。
日本ではもともと口座振替という仕組みがすでに便利に機能しており、銀行もシステム接続に慎重でオープンAPI対応が遅れ、銀行法などの規制も参入の壁になっていると指摘されています。
中国のように国有銀行が前面に立って技術開発をけん引するのとは対照的に、日本では大手銀行の存在そのものが、新規参入の余地を狭めてきたのではないかと思います。
👀この記事で身につけておきたい3つの視点
特許の出願数は、実力そのものではなく、どのプレイヤーが技術開発を主導しているかを映す指標として捉えられている
大手企業が新技術の開発を主導するか、その普及を妨げるかで、国ごとの競争力が変わる時代になっている
自分が使う決済・与信サービスの裏側の技術がどこの国のものかを意識することが、将来の選択肢を守ることにつながる
💡結論・メッセージ
フィンテックを巡る競争は、単に技術力の優劣を競う話ではありません。
大手企業が新技術の開発を主導して道を切り拓くのか、既存の枠組みを守ることで結果的に新規参入を防いでしまうのか、その姿勢の違いが国ごとの明暗を分けつつあります。
日本にとって問われているのは、技術力を底上げすることだけでなく、大手行と新規参入者がどう役割分担すれば、この主導権争いに乗り遅れずに済むのかという制度設計そのものだろうと思います。
📰今日のその他の一面
事前に日本など周辺国へ通知し「年間軍事訓練の一環」と説明しましたが、日本政府は深刻な懸念を伝え再考を強く要請しています。事前通知という「丁寧さ」の裏では、米本土に届く核戦力を誇示する狙いも指摘され、対話姿勢と抑止力誇示を併せ持つ中国の二面性が浮かびます。オーストラリアやNZも懸念を表明し、地域全体に不安が広がっています。
LINEヤフー会長を退任した川辺健太郎氏は、従業員を雇わずAIに実務を任せる「AIソロプレナー」として起業しました。AIは24時間稼働し生産性を高めますが、目指す理想像の設定や良質な問いを立てる役割は人間にしか担えません。AI活用の本質は操作技術ではなく目的意識と思考力にあり、それを磨くにはAIに依存しない考える経験が不可欠だという構造が、この事例からも浮かびます。
トライアルは新会社を通じ、生鮮食品や総菜を含む多品目を扱うネットスーパーを本格展開し、低価格戦略で顧客層を広げようとしています。他の大手スーパーやEC事業者もすでに同様のサービスを提供しており、生鮮宅配市場は複数企業が競い合う構図になっています。ご指摘の通り、日本は地域ごとに強いスーパーが根付いているため、単一の勝者が生まれるより、地域や価格帯に応じて複数グループが並立する形に収まっていく可能性が高いと考えられます。
✉️追伸
去年の今頃はもう真夏日だったそうです。
今年は若干涼しいですがいつまで続くのでしょうか。


