📰今日のニュース
〈マンション 不都合な真実〉タワマン5割で所有者不在 東阪の最上階、登記住所は別
☝️一面のワケ
都心の不動産が「住む場所」より先に「資産」として奪われていく構図が、データで裏付けられたため。
❓今日の問
所有者不在の都心タワマン、高値はどこまで続くのか
📚目次
「住む部屋」より先に「持つ資産」になる論理
「外国人が買う」という見え方に潜む落とし穴
住民不在が管理組合の合意形成をすり減らす
📝要点
東京と大阪の都心にそびえるタワーマンションの、いちばん眺めのいい最上階。
その所有者の実に5割が、登記簿上の住所をその部屋に置いていないことが日本経済新聞の調査でわかりました。
新築マンションなら所有権の移転と同時に住所も登記されるのが通常なので、一致しないというのは、そこに住むためではなく持つために買われている可能性が高いというサインです。
こうした保有が広がる背景には、東京23区の新築マンション価格がすでに平均1億3000万円を超え、過去最高を更新し続けているという価格高騰があります。
誰がこの値上がりの恩恵を受け、誰がその部屋の管理を担っていくことになるのでしょうか。
🏢「住む部屋」より先に「持つ資産」になる論理
値上がりが期待できる不動産は、そこに住みたい人よりも先に、値上がり益を狙う人に買われやすくなります。
東京と大阪の都心にあるタワーマンションの最上階303棟、約1867戸を日本経済新聞が調べたところ、48%にあたる895戸で所有者の登記上の住所が物件の所在地と一致していませんでした。
新築マンションは通常、所有権の移転と住所変更の登記がほぼ同時に済むため、住んでいれば住所は一致するはずです。
一致しないのは、そこに実際に暮らすためではなく、資産として保有するために購入された可能性が高いというわけです。
その象徴が価格の動きです。
東京23区の新築マンションは2025年度に平均1億3000万円を超え、過去最高を更新し続けています。
この記録的な高値そのものが値上がり期待の強さを映しており、5割という住所不一致の割合は、その期待に乗って住まずに保有する動きがどれほど広がっているかを表しています。
💰「外国人が買う」という見え方に潜む落とし穴
東京都心6区のタワマンに絞って住所不一致の内訳をみると、581戸のうち都内の別住所を登記していたのは352戸ともっとも多く、東京を除く関東地方が77戸、海外の住所は88戸にとどまります。
海外の住所や外国人とみられる名前は目立ちやすく、価格高騰の主因を海外マネーに求めたくなりますが、国土交通省が2025年11月にまとめた調査では、都心6区の新築マンションのうち外国人が取得した割合は7.5%、23区全体では3.5%にとどまっています(対象や集計の時点は日経の調査と異なりますが、外国人の関与が限定的である点は共通しています)。
今回の住所不一致の主体も、実際には都内や関東圏に住む国内の投資家です。
新築マンションは所有権移転と住所変更の登記がほぼ同時にできるため、住むために買えば住所は一致するはずだと専門家は説明します。
だからこそ、5割という不一致の規模の大きさが、投資目的の保有がタワマン最上階では例外ではなく大勢を占めていることを裏付けています。
なお2026年4月からは住所変更から2年以内に登記を届け出ることが義務付けられましたが、施行されたばかりで、今回のデータはこの新しいルールが始まる前後の状態を映したものです。
📣住民不在が管理組合の合意形成をすり減らす
資産として買われた部屋には、多くの場合、人が住んでいません。
買い手が海外か国内かに関わらず、そうした部屋が増えること自体が、大規模修繕や管理規約の見直しといった住民同士の合意形成を難しくします。
総会に出席しない、連絡もつかない所有者が一定数いる状態では、決議に必要な賛成数を集めること自体に手間がかかるからです。
不動産に詳しい弁護士は、合意形成が滞ればタワマンの資産価値が下がりかねないとし、非居住の所有者への追加の費用負担や、管理の外部専門家への委託が必要になると指摘します。
日本にはまだこうした対応策はありませんが、欧州では一定期間人が住んでいない住宅に追加課税する制度が広がっており、パリでは2027年から空き家への課税を2倍に引き上げる予定です。
日本大学の教授はこうした事例を念頭に、物件が逼迫する都心部で恒常的に使われない不動産保有は社会全体として非効率だとし、実際に住みたい人に住宅を供給する仕組みが必要だと訴えています。
教授の指摘が示すのは、値上がりの恩恵を受ける保有者と、実際に管理や修繕の負担を担う住民とが、一致しなくなりつつあるということです。
🤔私はこう考える
都心のタワマン市場がすでに高値の天井に近いところまで来ているのではないかと個人的には見ています。
今回の調査のように、最上階の所有者の半数が実際には住んでいないという投機的な実態が具体的な数字として表に出たことで、この価格をこのまま押し上げ続けるのは難しくなっていくのだろうと思います。
住所変更登記が義務化されるなど制度面の対応もすでに動き出していますが、施行されたばかりで効果が数字に表れるまでにはまだ時間がかかりそうです。
それより先に動くのは、これ以上高値を追いかけてまで買おうという投資家が増えにくくなるという、市場の受け止め方の変化ではないかと見ています。
こうした「不都合な真実」が数字として可視化されるほど、これ以上高値を引っ張り続ける根拠は薄くなっていくように感じます。
👀この記事で身につけておきたい3つの視点
値上がりが見込まれる都心の不動産ほど、住むためではなく持つための対象として先に買われている
海外の住所や外国人の名前が目立つ場面ほど、実際の内訳では国内の投資マネーが主体になっていることがある
住まない所有者が増えるマンションほど、修繕や管理の意思決定が特定の少数の住民に偏っていきやすい
💡結論・メッセージ
タワマンの最上階に住所不一致が広がっているという今回の調査は、都心の不動産がどこまで資産としての性格を強めているかを映す一つの断面です。
海外マネーという分かりやすい主語に頼らず、内訳の数字を確かめてはじめて、実際に価格を押し上げているのが誰なのかが見えてきます。
同時に、住まない所有者が増えるほど、そこに住み続ける人たちが管理や修繕の負担を背負う構図も強まっていきます。
値上がりを追い求める仕組みと、実際にそこで暮らす人の生活基盤をどう両立させるのか、制度と市場の両面から問われ続ける局面に入っているのだろうと思います。
📰今日のその他の一面
今回の急落は日経調査に限らず、テレビ東京・毎日・時事・朝日など各社調査でも同時に見られ、政権発足以来の最低水準に並んでいます。要因として、女性天皇を事実上排除する形となった皇室典範改正や国旗損壊罪成立など、暮らしに直結しない政策への注力が挙げられます。一方で選挙公約だった物価高対策や消費税減税は取りまとめすら進んでおらず、決定事項と生活実感の乖離が不満の核心とみられます。報道各社の分析でも全世代で支持が減少し、支持理由が「政策への期待」から消極的な理由へ後退しており、無党派層に限らず支持基盤全体で緩やかな支持離れが進んでいると見れそうです。
国はフィジカルAIを成長戦略の柱と位置付け、AI・半導体分野に官民で大規模投資を計画しています。三井不動産の熊本拠点も、県が推進する分散型サイエンスパーク構想の中核として整備され、半導体の設計・製造からAI・ロボット関連産業の創出まで一貫した集積を狙う施設です。経済産業省も近く半導体・デジタル産業戦略を改訂し、工場のAI活用を後押しする支援策を盛り込む方針で、国によるバックアップが強まる可能性は十分にありそうです。
京都や奈良市内の著名な社寺に比べて注目度が低かった奈良県南部の歴史的価値を、世界に発信する好機にます。この地域は7世紀を中心に日本初の本格的な都城が営まれた場所で、宮跡や古墳など19の構成資産が一体となって当時の国づくりの姿を伝えています。京都のような華やかな寺社建築が少ない分、これまで一般の観光客には地味な印象を持たれがちでしたが、世界遺産登録を契機に考古学的価値への理解が広がり、地域の観光振興にもつながることが期待されます。
✉️追伸
東京のマンションめっちゃ高いですもんね。


