今週もお疲れ様でした。
AIバブルへの警戒感が経済ニュースで一貫して伝えられている印象を受けています。
中東の緊張はエネルギーだけでなくデータ通信や核不拡散にまで波及し、国内では手続きを急いだ法改正が相次いで危うさを感じさせました。
よくよく見ていけば今週も色々ありましたね。
それでは今週を振り返るニュースたちです。
7️⃣一週間を振り返るニュース10本
《記事のジャンル》
💵経済🏛️政治🌎国際🗾国内
天皇の退位等に関する皇室典範特例法は全会一致で決まりましたが、今回の改正皇室典範は5党派が反対する異例の展開でした。旧宮家の男系男子を養子に迎え、養子の子にも皇位継承権を認める内容です。600年近くさかのぼらないと血縁がつながらない家系を「養子」として皇族に組み込むという、皇室の歴史上前例のない仕組みです。結果的に皇位継承者を男系男子に限定する仕組みになっており、個人的には象徴天皇制を支える国民の納得をすっ飛ばして進めている印象で、危うさを感じています。
皇室典範改正と同じ17日に成立したのがこちらの国旗損壊罪法です。罰則は2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金で、自民・維新・国民・参政の4党が共同提出しました。ただそもそも国旗を損壊する事件がどれだけ起きているのかという立法事実が示されないまま法制化が進んでおり、憲法が保障する表現の自由との関係で違憲の可能性が高いという指摘まで出ています。処罰対象の線引きも曖昧なままで、今回の皇室典範の件と合わせて、この一週間は議論の進め方そのものに危うさを感じる法律が続いた印象です。
先週の振り返りでは「骨太ショック」を受けて円高・金利低下に反転したと書きましたが、今週はまた風向きが変わりつつあります。日経新聞が「高市円安」と名付けたこと自体、かなり踏み込んだなという印象です。金曜日の一面のその他記事でも骨太の方針の文言をめぐり海外投資家が財政健全化への本気度を疑っていると触れられていましたが、積極財政路線が円安を招いているという見立てには説得力があると感じます。日銀の独立性がどこまで保たれるかも含め注視する必要がありそうです。
先週の振り返りで福井女子中学生殺害事件の再審無罪と検察の証拠隠しの件を取り上げましたが、その根っこにある再審制度そのものの改正がこのタイミングで成立しました。1949年の刑事訴訟法施行以来初めての見直しです。ただ内容を見ると、証拠開示は「裁判所が請求理由との関連性や必要性、開示による弊害を考慮し、相当と判断した場合」に限られ、検察の抗告も全面禁止ではなく原則禁止にとどまりました。これでは袴田事件や福井の事件のような冤罪を本当に防げるのか、正直かなり危ういと思っています。
中東というとエネルギーの要衝という文脈で語られることがほとんどでしたが、実はデータ通信の要衝でもあったという事実が示されています。イランがペルシャ湾の海底ケーブルへの攻撃をちらつかせており、実行されれば湾岸アラブ諸国にデジタルの大惨事が起きるとされています。海底ケーブルが毀損すれば通信網そのものが止まりかねず、エネルギー以上の打撃を経済に与える可能性もあります。デジタル社会の急所が思わぬところに存在していたわけで、9本目のサウジとの原子力協定の話とあわせて、中東情勢の緊張がいろんな形で波及してきているなと感じます。
バーナム新首相は労働党所属議員の94%にあたる379人の支持を集め、無投票で党首に選ばれました。財政拡張志向の人物とされ、2022年のトラスショックの再来を警戒する市場の目が早速向けられています。イギリスでは右派ポピュリスト政党リフォームUKが支持を広げており、バーナム氏がそこに対抗して国民の支持を広げられるかどうかが、今後のひとつの試金石になりそうです。
金曜日の一面ではAIデータセンターの電力需要増が電気代に跳ね返る話を取り上げましたが、その電力を作る側の再エネ設備でも構造的な偏りが見えてきました。風力発電の風車で、中国企業の世界シェアが前年比6ポイント増の79%まで拡大したそうです。アフリカやアジアの需要も取り込んでの結果とのことです。脱炭素を進めたくても、供給網の大部分を中国が握っているという現実は無視できず、サプライチェーンの不安を抱えながら中国製を導入するか、割高でも別の選択肢を探すか、なかなか難しい判断を迫られる話だと思います。
水曜日の一面でも扱った268兆円の簿外債務の話ですが、投資家側が「本当に大丈夫か」と疑い始めている空気がより強く出てきた印象です。アルファベットやマイクロソフト、アマゾン、メタ、オラクルの5社合計で、貸借対照表に載らない将来債務が1兆6500億ドル、約268兆円まで膨らみ、4年で8倍、実際の借金の額をすでに上回っています。AI特需の社債発行の話ともつながる流れで、将来の収益性に疑義が生じた瞬間に株価が一気に下がり、経済全体への打撃になりかねないと個人的にもかなり気になっています。
5本目の海底ケーブルの話と同じ中東絡みですが、こちらはより根が深い話だと思っています。米国とサウジアラビアが30年間、数百億ドル規模の原子力協定を検討しており、ウラン濃縮までサウジ側に認める可能性があるとWSJが報じました。これまで核軍縮が世界的なトレンドだったはずが、トランプ政権による中東介入をきっかけに、その流れが逆回転し始めている印象です。中東で核拡散のリスクが広がることになるのではないかと、非常に懸念しています。
トランプ政権の関税政策は、米連邦最高裁が「相互関税の根拠にしていたIEEPA(国際緊急経済権限法)は大統領の権限を超えている」と6対3で違法と判断されており関税医に関する新たな法的根拠を探していました。政権は代わりに通商法122条を根拠にした10%の暫定関税でしのいでいましたが、その期限が24日で切れるため、日本を含む60カ国・地域向けの新たな関税に切り替えました。日本には原則12.5%(既存関税との合計が12.5%を超えない軽減措置あり)が同日発動されています。彼がその地位に居続ける限り付き合い続けていくしかないんでしょうね。
👀注目
「自分の仕事がなくなるかも」というストレスの大きさは計り知れないだろうなと思います。AI関連で注意していくべき論点になりそうです。
アルツハイマー病を進行させる脳内の蓄積物質が発見されその進行を抑える薬が発売されましたが、今回はその蓄積を”促す”物質が特定されたということで、かなり大きな発見になりそう。
箱物行政で財政破綻した夕張と、巨額の資金を投じて行う「成長戦略」を重ね合わせる記事です。面白かったのでぜひ。
最初はChatGPTが独占していましたが今では様々な選択肢が出てきており確かに「コモディティ化」してきた印象はあります。各社、特に米テック企業にとっては少し嫌な動きなんじゃないかなと。
📰1週間の一面
✉️追伸
来週で7月も終わりですか。早いな。
それでは皆様良い週末をお過ごしください。
また月曜日にお会いしましょう。







