企業配当、最高の15兆円
今期、低PBR改善へ還元強化 自社株買いも活発
《今日の主題》
純資産を思い切って”成長”に投資できるかどうか
《ポイント》
1.2022年の東証再編
2.求められるPBRの引き上げ(資産の有効活用)
3.期待される攻めの企業姿勢
*大きく変わった東京証券取引所(東証)
東京証券取引所は2022年4月に日本企業の価値を高めるために市場区分の再編成を行いました。
一部、二部等がなくなり「プライム、スタンダード、グロース」の3つになりました。
この再編により従来基準よりも財政の健全性などが求められるようになり、上場するための基準、そして上場の維持が厳しくなりました。
基準を厳しくすることで、「東証プライム(orスタンダードorグロース)に上場している会社は健全な会社ですよ。投資先としても魅力的ですよ。」とアピールし国内外から投資を呼び込むことにより企業価値を高めようという目論見です。
*注目される指標PBR
株式投資の様々な指標の1つにPBR(株価純資産倍率)があります。
1株あたりの純資産額を株価で割ったもの。
「1倍」が1つの基準になり、1倍以上が求められており、PBRが5年以上1倍を下回った場合は上場廃止にするという処置も検討されているようです。
PBRを引き上げるには…
1.株価を引き上げる→自社株買い
2.純資産を減らす→人、設備、技術への投資
あたりが選択肢になると思います。あとは発行株式を増やすということも考えられるのかもしれませんがこのあたり詳しくは分かっていません。すみません。
*それぞれの対応と意味と求められていること
まず1の方。
自社株買いは自社で発行している株式を買うこと。
市場で取引されている株は需要と供給のバランスで成り立っています。
そのため、供給が減れば必然的に価格が上がります。株価を引き上げると同時に株主への還元にもなります。
ちなみに自社株買いには賛否あり、日本も30年ほど前までは禁止されていました。
2の方。
企業側はこの間、万が一のときに備え内部留保(純利益のうち配当にまわらないもの)を積み上げてきました。これは純資産になるためPBRを押し下げる要因となっていました。
積み上げた純資産を人や設備、技術に投資することが会社は成長しPBRを引き上げることができます。
求められているのは思い切った投資なんだろうと思います。
さらなる成長企業に押し上げ、魅力的な投資先となり海外から投資マネーを集め、さらに成長への投資をする…
という”攻め”企業の姿勢が期待されておりそこに向けて制度が整備されつつあるのだろうと思います。