新しい資本主義、転職・起業で成長底上げ
労働市場改革へ 雇用規制なお課題
今日のニュースは「経済政策」という視点からも見ていけますが、そもそも岸田政権がいう「新しい資本主義とは?」という視点で見ていきたいと思います。前者は関連記事があったので参考に置いておきます。
*「新しい資本主義」の誕生
話は2021年に遡ります。9月に自民党のトップを決める自民党総裁選挙が行われました。
出馬したのは岸田さん(現総理)、河野太郎さん、高市早苗さん、野田聖子さんの4人。
岸田さんが当選し総裁になるわけですが、この総裁選で戦わせる政策として出してきたのが「新しい資本主義」でした。
キーワードは『成長と分配』でしたが、どちらかというと”分配”の方に重きを置いているという印象でした。「分配なくして次の成長なし」と言っている総裁就任後の記者会見動画を置いておきます。
*なぜ「分配」重視だったのか?
岸田さんは宏池会(こうちかい)と呼ばれる自民党内のグループのトップです。宏池会は伝統的に穏健的な政策を掲げることが多いグループです。
過去最長の在任期間だった安倍さんは清和会(せいわかい)というグループのトップでした。安倍さんはとにかく成長を促す政策を取り、その後を継いだ菅(すが)さんはどのグループにも所属してませんが安倍さんの後継者として政策を引き継ぐことが前提とされていました。
成長一辺倒にも見える中で安倍さん路線は引き継ぎつつも変化を起こすという意味で「分配」に焦点があたることになりました。
*新しい資本主義の移り変わり
総裁就任直後から分配は徐々に鳴りを潜めていきます。その背景には安倍さんが所属していた清和会の存在があります。清和会は現在の自民党内で最大のグループでここの意向を無視することはできません。そのため記事内にもあるようにやや成長色の強い内容に移り変わりつつあります。
【参考】
▼自民・岸田文雄新総裁「新しい資本主義を構築していきたい」(2021年9月29日)https://www.youtube.com/live/mOC1xdM3VDM?feature=share
▼リスキリング後押し 「新しい資本主義」改定案https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20230607&ng=DGKKZO71680080W3A600C2EP0000