スタートアップが健保 若手中心、保険料安く
来年360社 組合の運営に一石
《今日の主題》
スタートアップを推進する一環として健康保険組合が設立される
《ポイント》
1.「新しい資本主義」でスタートアップの増加が目標に設定された
2.そのために様々な環境整備を行っており健保もその一環
3.それとは別でどのように医療費を負担していくかは考える必要がある(私的意見)
今日はスタートアップのための健康保険組合の話。
*新しい資本主義で言及されたスタートアップ
スタートアップのための健康保険組合って聞くとかなり唐突感あるかと思いますが、
この背景にあるのは岸田首相が提唱している『新しい資本主義』です。
「新しい資本主義実現会議」というのがありこれまで20回開催されていますが
その第13回で「スタートアップ」についての言及がされています(参考に資料を置いておきます)。
欧米と比較しスタートアップが少ないことから、スタートアップを多く創出し経済を牽引していこうという考えです。
将来的にはユニコーン企業(時価総額1000億円以上の未上場企業)を100社、スタートアップ10万社を目指すそうです。
*スタートアップを生み出しやすくするための環境整備
そのため金融機関にスタートアップへの融資を促したり、
スタートアップへの投資に対する税制面の優遇など環境整備を進めています。
今回の「VCスタートアップ健康保険組合」もその環境整備の一環です。
通常、中小企業は「協会けんぽ」という保険に加入し、定められた保険料率を使用者と労働者で折半して支払います。
スタートアップは平均年齢が若いということもあり、今回設立する健康保険組合も協会けんぽに比べ1.5%程度、保険料率を引き下げられる可能性があるとしています。
*どのように医療費を負担するのか
保険料率が下がればその分会社の支払いも減るため
恩恵を被れる企業にとってはメリットは大きいと思います。
一方で体に不調をきたすのは当然高齢者が多いわけなので
そのしわ寄せは必然的にどこかに向かうことになります。
少子高齢化に伴い医療費は上昇を続けています。
スタートアップ支援は必要なこととしつつ
それとは別に今後国として医療費をどのように負担していくかは
考えないといけないところだと私は思っています。
【参考】
▼新しい資本主義実現会議第13回資料https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai13/shiryou1.pdf
▼健康保険組合とは 大企業の従業員ら2900万人加入https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA054T80V01C22A0000000/