📰今日のニュース
☝️一面のワケ
在宅での看取りが広がる一方、最期の場所を選べるかは住む地域でほぼ決まってしまうため。
❓今日の問
在宅みとり率の地域差は何を奪っているのか
📚目次
老衰死の増加が広げるみとりの場所という選択
財政の思惑が導く在宅シフトという政策転換
在宅みとり率の差が映す地域格差の固定化
📝要点
最期を病院以外の場所で迎える人が増えています。
多死社会の到来とともに老衰で亡くなる人が増え、自宅や施設でのみとりも増加傾向にあります。
しかしながら、それが実現するかどうかは住む地域によって大きく異なります。
2024年度の在宅みとり率は神奈川が26.8%、高知が4.9%で20ポイント以上の差があり、この差は年を追うごとに広がっています。
政府は財政的な思惑もあって在宅医療の普及を進めてきましたが、政策が効く地域と効かない地域の差は縮まらないままです。
最期をどこで迎えるかの選択肢が、住む場所によっては限られてしまうという現実が見えてきます。
🏥老衰死の増加が広げるみとりの場所という選択
日本では2024年に160万5378人が亡くなり、過去最多を更新しました。
高齢化が進むなかで、多くの人が亡くなる多死社会が現実のものとなっています。
死因の中身も変わってきました。
老衰は2018年に脳血管疾患を上回って3位となり、近年は心疾患に迫る勢いで増えています。
あわせて最期を迎える場所も変わってきました。
自宅で亡くなる人の割合は2005年の12%から2024年に16%へ、老人ホームなどの施設は2%から12%へと増え、病院はピーク時の80%から16ポイントほど下がっています。
積極的な治療よりも自然な最期を選ぶ人が増えていることがうかがえます。
ではこうした変化を、政府はどのように後押ししてきたのでしょうか。
🏛️財政の思惑が導く在宅シフトという政策転換
この変化を後押ししてきたのが政府です。
2000年代から24時間いつでも往診できる在宅療養支援診療所や病院の整備を進め、現在は診療所が約1万5000カ所、病院は約2000カ所で、病院数はこの10年で倍増しました。
在宅医療は入院に比べて医療費を抑えられるとされ、社会保障費の膨張を抑えたい国にとって財政的な狙いも重なっています。
医療法の改正も2025年から2027年にかけて段階的に施行されており、病床数の見直しや地域医療構想の再設計が進められています。
あわせて2027年度には介護保険制度の見直しに向けた議論も進んでおり、在宅シフトをどこまで加速させるかが今まさに論点になっています。
しかし、この政策は全国で同じように効いているのでしょうか。
↔️在宅みとり率の差が映す地域格差の固定化
政策の効果は全国で同じではありません。
2024年度の在宅みとり率は神奈川が26.8%で最も高く、高知は4.9%で最も低くなっています。
2015年度はこの差が10ポイント未満でしたが、今は20ポイントを超えるまで広がりました。
神奈川では医療機関の数自体は大きく変わっていませんが、訪問診療を受ける患者が増え、医師会の研修を通じて個々の診療所の対応力が上がってきたといいます。
一方の高知は人口あたりの病院ベッド数が全国で最も多く、何かあれば入院するという発想が根付いているとみられます。
同じ国の制度でありながら、地域によって選べる最期の幅がまったく違っています。
🤔私はこう考える
今回の記事が示したいのは、『どこで死ぬか』を選べるようにするべきだということだと思います。
老衰で穏やかに過ごす人には自宅や施設という選択肢が開かれていて、急変して治療が必要になった人には病院という選択肢が確実に用意されている。
その両方が、住む地域に関わらず等しく揃っていることが本来あるべき姿だと思います。
神奈川と高知の5倍超という差は、病院死が多すぎるという数の問題ではなく、自宅を望んでもその選択肢にアクセスできない人がいるという、選択肢の不平等を映しているのだろうと思います。
👀この記事で身につけておきたい3つの視点
在宅医療の普及は、社会保障費を抑えたい国の財政的な思惑も背景に進められている
神奈川と高知の在宅みとり率の差は、2015年からの10年でむしろ拡大し続けている
最期の場所を選べるかどうかは、本人の希望よりも住む地域の医療体制によって決まっている
💡結論・メッセージ
在宅でのみとりが増えていること自体は、自然な時代の流れだろうと思います。
ただ大切なのは、在宅を増やすことそのものを目標にしてしまわないことです。
老衰で穏やかに逝きたい人には自宅や施設という道が開かれ、急変して治療が必要になった人には病院という道が確実に用意される。
どちらの選択も、住む地域によって左右されないようにすることが本来の目標のはずです。
神奈川と高知の差を埋める先にあるべきなのは、在宅みとり率という数字を伸ばすことではなく、誰もが納得した場所で最期を迎えられる選択肢を、どの地域でも等しく整えることなのだろうと思います。
📰今日のその他の一面
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✉️追伸
台風の影響どうでしたか?


