値上げ「今年度も」5割超 外食調査
リンガーハットは3回目 9割が時給上げも人手不足なお
《本日の主題》
最高のシナリオは物価上昇を上回るペースで賃金が上昇すること
《ポイント》
1.日本のインフレは供給サイドの要因
2.これまで賃上げに慎重だった日本企業が徐々に賃上げを始めている
3.物価上昇を上回って賃上げが実施されるかどうかがポイントになりそう
今日は日本の物価上昇について。
*日本の物価上昇の要因
ヨーロッパやアメリカでの物価上昇(=インフレーション/略してインフレ)が話題に上がっていますが、日本もインフレの状況です
その要因には…
・原材料価格の高騰
・エネルギー価格の上昇(輸送費や電気代の上昇に繋がる)
・円安(輸入商品の価格が上がるため)
などがあげられています。
上にあげたものは生産に関するコストを引き上げるため、
「コストプッシュ型インフレ」と言われています。
需要と供給の「供給」側の要因が大きいインフレです。
*コロナの影響による人不足
また新型コロナウイルス対策として飲食店の時短営業等が取られた結果、
各企業は人件費を削減する目的でアルバイトやパートタイマー等の人手を減らしました。
その対応自体は致し方ないものでしたが客足が回復してきている中でコロナ前と同様の水準まで人を戻そうとしていますが、
賃金を上げて募集してもなかなか集まらないようです。
一度離れてしまった人材を呼び戻すことの難しさを痛感させられる事例です。
余談ですが宿泊業界もまったく同じ構造・悩みを抱えています。
*物価上昇への対応
最も期待したい物価上昇への対応策は「賃金の上昇」です。
これまで日本企業は賃金の上昇に対する忌避感が強くありました。
それがここ最近は徐々にではありますが上がり始めています。
先日の日銀総裁会見でも中小企業を含めて賃金上昇が継続・定着するかを見極めるという内容のことを話していました。
緩やかに物価が上がりつつ、それを上回るペースで賃金が上がっていくことが理想的な状態です。
また、物価上昇への対応方法は基本的に「金利を上げること」だと言われていますが日銀はまだ利上げに踏み切っていません。
金利を上げることで景気を冷え込ませる可能性があるということに加え、利上げは需要を抑えることで物価上昇を抑えます。
日本の場合供給側の要因でインフレが起こっているため、あまり効果的ではないと考えている可能性はあります。