トヨタ、27年にも全固体電池EV投入
充電10分で1200キロ 量産技術の開発急ぐ
《本日の主題》
電気自動車普及のブレイクスルーになるかも(やっぱりトヨタはすごかった)
《ポイント》
1.電気自動車は航続距離と充電時間が問題だった
2.全固体電池になるとその問題が一挙に解決
3.課題は金額だが従来の改良版も用意しており顧客は選択肢を持てることに
本日はトヨタの電気自動車について。
この発表があったからか今日の株式市場はトヨタ株が買われました。
*全固体電池になると何が”良い”のか
現在の電気自動車のバッテリーにはリチウムイオン電池が使われています。
これが全固体電池になると…
1.走れる距離が長くなり
2.充電時間が短くなる
今日の話はこの点に尽きると思います。
*電気自動車の難点1:航続距離
現在販売されている電気自動車の航続距離(どれくらい走れるか)は、
短いもので2〜300km、長いもので4〜600km程でした。
ガソリン車は5〜800kmあたりが多いそうなので「長いもの」と比べると同じくらいに感じますが、ハイブリッド車だと1,000km程度になるためやはり多少見劣りします。
*電気自動車の難点2:充電時間
個人的にはなんだかんだでここの問題が大きいのではないかと思いますが、電気自動車の充電時間は自宅の場合半日〜丸1日ほどかかります。
スタンドの急速充電でも30分程度。
日常的に車に乗る人からしてみるとガソリンスタンドに30分というのはかなり長く感じるはずです。
しかも航続距離が短ければ頻繁に行う必要があります。
この煩わしさが購入をためらわせていた可能性は大いにあるなと感じています。
*全固体電池になることで…
トヨタの発表どおりであれば全固体電池になると
航続距離:1,200km
充電時間:10分以下
となるため、ユーザーにとってはこれまでと同じ感覚で乗れることになります。
脱炭素の流れの中で世界的にガソリン車から電気自動車へと舵を切る中、全固体電池の電気自動車が量産化されればトヨタは強力な競争力を持つことになります。
*今後の課題とトヨタのこれから
課題は金額。
リチウムイオン電池に変わるものとして全固体電池や半固体電池などが研究されていますがまだ本格的な実用化には至っておらずまだまだコストが高いのが現状です。
これを如何に下げていけるかが今後普及させていく鍵となりそうです。
今回の発表では従来のリチウムイオン電池バッテリーの改良版も合わせて発表されており、こちらでも(全固体電池ほどではもちろんありませんが)航続距離の伸びと充電時間の短縮がなされていました。
航続距離が伸びれば充電回数も減るわけなので顧客の心理的なハードルを押し下げられる可能性はあります。
ちなみにトヨタさんこれに加え水素自動車の開発も継続しているわけでやっぱりすごいなという感想をいだきました。