📰今日のニュース
☝️一面のワケ
高市政権が打ち出した17の重点産業分野について行程表の策定が佳境を迎え、企業側の実際の反応が見え始めたため。
❓今日の問
政府に産業の行く末は正しく読めるのか
📚目次
各国が産業に本腰を入れ始めた背景
高市政権が打ち出した成長戦略の中身
政府のロードマップに市場はついてくるのか
📝要点
どうやって17分野が選ばれたのかが個人的に最大の疑問として残っています。
政府が「成長の旗を立てる」こと自体は、国際的な補助金合戦が続く中では理解できることです。
ただ、分野を一つひとつ見ていくと、何を根拠に選んだのかがよく見えてきません。
そして、そもそも「政府が産業の行く末を正しく読める」という前提は、本当に成り立つのでしょうか。
今回はその問いを一緒に持ちながら読んでいただければと思います。
🫸各国が産業に本腰を入れ始めた背景
1990年代以降の先進国では、特定の産業を国が育てるという発想は時代遅れとされてきました。
競争に任せた方が効率がよいという考え方が主流だったわけです(いわゆる「小さな政府」と呼ばれる考え方)。
それが変わったのが2020年代です。
コロナ禍でサプライチェーン(部品や素材の供給網)が寸断され、半導体が手に入らずに自動車が作れない事態が相次ぎました。
米中の対立が深まる中、どの国がどの産業を持っているかが外交上のカードにもなっていきます。
米国は2022年にCHIPS法(半導体製造への約527億ドルの補助金)とIRA(再生可能エネルギーなどに約3,690億ドルを投じる法律)を成立させ、EUも2024年に再エネなど19分野を対象にしたネットゼロ産業法を施行しました。
日本の17分野は、こうした国際的な補助金合戦への参戦として生まれたものです。
工場の機械やロボットをAIで制御するフィジカルAIも、その目玉の一つとして位置づけられています。
📈高市政権が打ち出した成長戦略の中身
高市政権は2025年10月の発足以降、安倍政権が「三本の矢」で掲げながら道半ばに終わった産業構造の転換という宿題に取り組もうとしています。
2025年11月の経済対策として17分野が発表され、現在はそれぞれの行程表(ロードマップ)の策定が進んでいる段階です。
AI・半導体、造船、フードテック(植物工場や陸上養殖)、核融合エネルギーなどが対象で、税制優遇や複数年度にわたる予算措置で投資を後押しする仕組みです。
製造業の基幹産業である自動車が分野に含まれなかったことは業界に衝撃を与えましたが、政府は自動運転などをデジタル分野の一部として整理しているとされています。
行程表の中身はまだ詰められている段階で、支援の具体的な内容はこれから見えてくることになります。
🛣️政府のロードマップに市場はついてくるのか
産業政策には構造的な問いがつきまといます。
政府がロードマップを作るとき、数年先の産業の姿を想定することになりますが、AIをはじめとする技術は今、その想定を短いスパンで覆すほどの速度で進化しています。
つい2年前には想像もしなかった能力を持つモデルが次々と登場し、産業の地図を書き換えていっているような状況です。
「5年後の勝ち筋を今決める」という設計には、根本的な難しさがつきまといます。
民間の経営者が実際にどの分野に関心を向けているかを見ると、AIと半導体、エネルギー安保という絞り込まれた方向への集中が見てとれ、政府が掲げた17分野全体への温度差があるという見方もあります。
政府が選んだ分野に市場もついてくるのか、それとも市場は独自の判断で動いていくのか。
その問いは、行程表の実効性とも深く絡んでくるところです。
🤔私はこう考える
個人的に気になるのは、17分野がどんな根拠で選ばれたのかがよく見えないことです。
中国・韓国に市場を奪われ、受注したくても人手が足りずに受注できない造船や、実現まで何十年かかるか分からない核融合を重点分野とすることに、どこまで戦略的な意味があるのかは問われるところだと思っています。
半導体を例にとると、日本企業はシリコンウエハーやフォトレジストなどの素材で世界シェアの過半を持ち、製造装置でも世界シェアの3割程度を占めています。
そこに的を絞って勝負するという考え方もあったはずです。
過去のクールジャパン機構は2023年度末時点で約400億円の累積損失を抱えており、政府主導の産業投資が必ずしも実を結ばないことはすでに経験してきました。
繰り返しますが、旗を立てることは大切です。
ただ、どんな理屈で決まったかが見えにくい17分野がこのまま順調に発展していくかといえば、先行きは少し不安なところです。
👀この記事で身につけておきたい3つの視点
1990年代以降の「市場に任せる」という常識が崩れ、今や主要国が競うように特定産業への補助金合戦を繰り広げている
政府が数年先の産業の勝ち筋を今決めるというロードマップ型の産業政策は、技術の急速な進化の時代にその前提が揺らいでいる
本当にこの17分野で良かったのか、このまま順調に発展していくかはやや不安が残る
💡結論・メッセージ
高市政権が旗を立てたことそのものは、国際的な補助金合戦が続く中では理解できることでした。
ただ、どんな根拠でどのように選ばれたのかが見えにくい17分野がこのまま順調に発展するかといえば、少し不安が残ります。
問われるべきは二つあると思います。
一つは、なぜこの17分野なのかという選定の透明性。
もう一つは、AIのように産業の地図を短期間で塗り替える技術変化の時代に、ロードマップを今設計することが本当に有効なのかという問いです。
日本が本当に強みを持つ分野に的を絞りながら、変化に対応できる設計になっているかどうかは、これから見極めていく必要があるのだろうと思います。
📰今日のその他の一面
当面の用途はAIデータセンターの安定電力確保ですが、この技術は再エネ普及にとっても極めて重要な意味を持ちます。リチウムイオン電池で使われるコバルトやニッケルといったレアメタルは希少で価格上昇が続いており、大型蓄電池への適用はコスト面で大きな障壁となってきました。レアメタル不使用の蓄電池はコストと安全性の両面で優位性があり 、再エネの余剰電力を蓄積するための大規模グリッド蓄電池としても応用可能で、今後の需要拡大が見込まれます。
OPECプラスの有志7カ国は3日、6月に日量18.8万バレルの増産を決定し、3カ月連続の生産枠引き上げとなりました。5月1日にUAEが脱退したため参加国は8カ国から7カ国に減りましたが、UAE分の増産枠(日量1.8万バレル)を差し引いた実質的な増産規模は前月と同水準です。2月の米・イスラエルとイランの衝突後、実際の生産量は枠を下回っており、増産がすぐに実現するわけではありません。それでも増産継続を決めた背景には、UAEの脱退後も結束を対外的に示す狙いがあるとみられます。
コロナ禍にテレワーク実施率が急上昇しましたが、最近では出社回帰が進んでおり、そのことが需要を押し上げる一因となっています。さらに丸の内などの優良オフィスへの移転を「人材投資」と位置づける企業が増えており、空室率は2%台まで逼迫しています。建設コスト高騰による新規供給不足も重なり、需給ひっ迫が長期化する様相です。
✉️追伸
昨日めっちゃ雨降るって聞いてたので身構えてたんですけどほとんどふらずでした。
GWって晴れるイメージあるんですけど今年はそうはいかない感じですね。


